この作品はプロ部門グランプリに輝きました。
作品の思いや詳細をお知りになられたい方は
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受賞時のあいさつは
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この度、繊維商社・豊島株式会社様主催のもとに、株式会社MODALAVA様が企画運営されるリメイクコンテスト『〜リメイクで救うお洋服〜clothes renovation 』に参加させて頂きました。
その結果、提出した2作品の内、1点が一次審査を通過してくれました‼︎ありがとうございます‼︎
以下の話は通過した作品の紹介になります。長くなりますが、現在行われている二次審査のweb一般投票にあたり、どうぞ御一読いただけましたら幸いです。提出したテキストと同じものを掲載します。
そして、読み終わりましたら是非、ご投票の方を何卒、よろしくお願い申し上げます🗳
WA装研究所ももたすは 《プロ部門》グランプリ🏆を目指しています。
【作品タイトル】
JUBANGERIE(ジュバンジェリー)
邦題:和洋兼用・お襦袢ワンピ
【作品説明】
他の作品もそうですが、いつも着物のことを、日本のルーツを、考えています。
今回は配布された服の中の、ブラックワンピースを使ってリメイクをしました。
これに関しても先ず必然を用意することをしています。
着物にも洋服にもなるような誰かの為のカタチを思い描きました。
今回も、ディテールは昇華し切らずなるべく素直に着物と洋服をドッキングさせるところから始まっています。
完成した瞬間は洋服になってホッとしました。
先ずはエリを考えました。
主に女性の着物はエリの後ろを抜いて着ると、皆さんも当然知っているかと思います。そして、正面のネックはV字になる。その基本の2点を崩さずにリメイクする事にチャレンジしました。
JUBANGERIE 着用写真
(着物の下に着ている物が作品です)
元々のワンピース背側のエリぐりに、首を大きく開けるための1つボタンでとめられた切れ込み(ドロップ開き)があったので、ボタンを外しつつ、Vネックにしました。
今回は1人では無くチームとして参加していますが、縫製の相方が生地は切らずに縫い変えくれています。小さな部分ですが余す事なくは気持ちがいいです。
それと同時に、後ろ前を逆に着る事をこの場合のスタンダードにしてエリの抜き具合が着物のようになるか確かめながら試みました。
首回りは自然と背中の方に下がりました。とても好都合でしたが、上から着物を着てみたり脱いだりと想定どおりに仕上がるまで微調整が大変でした。
この確認を前提に、やはり元々の背面側をフロントに、正面側をバックに設定し、そこに着物の棒エリをドッキングさせました。
漠然としたイメージとやりたい事を0からすり合わせる作業は大変ですが、ある程度カタチが出来ているリメイクなら工夫やヒラメキで乗り越えられるところがあるし楽しみの一つだと気づかされました。
そうしているうちに着物の下に着る襦袢(ジュバン)としても着れる洋服に変化出来るといいなと思い考えを共有し縫ってもらいました。
全体の縫製は、本来着物にするなら和裁で手縫いですが、ワンピースの素材自体が洗濯にも強い化繊だった事もあり、バランスを現代の洋裁側に振り、ミシン縫いをチョイスしました。
和裁と言う日本人の伝統的な手仕事は今回選ばなかったので名残惜しさはありましたが、この衣服の魅力を考えた時に躊躇はありませんでした。
それはもしかしたら作品の設定の半分が、襦袢(アンダーウェア)だったからかもしれません。
尚且つ、襦袢として着る場合、棒エリは芯材を出し入れ出来るようにトンネル状になっています。逆にワンピースで着たい時は芯材は抜いて柔らかく着れるようになっています。
この芯材やトンネル式はわたしが発案した事では無く、着物を着る時に登場する今あるやり方や道具達です。
ただし、エリ自体はボウタイ風のイメージでリボン結びが出来るように自分達で調達した柔らかいオーガンジー素材をチョイスしました。
更に着物地を中に重ねたので、襦袢として着る際は透けた黒の下に漂う粋な縞柄がお洒落をさせてくれます。
この辺からどう言う思考順で完成にいたったかははっきり覚えてませんが、全体的にのっぺりになりがちな印象のシンプルなブラックワンピースにアクセントとして透け感を盛り込みました。エリと同素材のオーガンジーをはぎ合わせています。
相手から見られた時、涼やかな気持ちになってくれたら嬉しいし、着る人からしてみた時は、シースルー部分がヌード感や重ね着として春夏秋冬で遊び心になるようだと嬉しいです。場所は、左右の袖と身頃の上半身の、それぞれ一部です。
最後に、背面にある布。
これは、背中に手を回して下に引くとエリが楽に抜けるような機能でもあり、ついでにこれもまた現代に登場した着物を楽に装う時の道具的なパーツですが、このワンピースの場合は衣(コロモ)のような感じで機能だけで無くデザインとして昇華させようとしました。
概念はヒラメキでしたが、つけてみて自分がとても勉強になりました。単純な長方形の布1枚ほど、その布が語りかけるものは無いのだな、と。
その背中のコロモは、今回新たに用意した紐でウエスト周りをキュッっとマークしつつ、上半身をふんわりさせれば、再び表情を変えこちらに語りかけてきます。
そしてこのコロモで使用した素材は全体のバランスを考えてボウタイ風の着物エリ、アクセントのシースルーと同様に3Dポリエステルオーガンジーにしました。
このワンピースが1番すごいのは、もしも着物が嫌になったらその場で、サッと着物を脱いでしまえる事です。いくら着物は素晴らしいものと分かっていても、現在の気候では我慢ならない『かなわんな〜』と思う瞬間があるでしょう。気候だけでなく、綺麗に自分を着付けられなかった時、今すぐ脱いでしまえる余裕があると着物を着る事もラクに楽しめると思いました。実際にはわたし自身がそうだからから始まっている事かもしれません。(苦笑い)
文化そのものと仲良くできる可能性もリメイク出来ていたらわたし達は嬉しいです。
もちろん、ワンピースとしても楽しい1枚になったかなぁと思ってます。袖口の紐、ウエストの紐、とにかく紐をどんな風に使うかでルーズ感ときちんと感の対極をお楽しみ頂けます。
余談ではありますが、嫌になって着物を脱いだあと『靴が草履じゃヘン‼︎』と思われた方、中から現れるワンピに合わせ、新しい靴を買うきっかけにすると考えてみてはいかがでしょうか。
その瞬間は街中で突然やってくる訳ですが、その新しい靴が素敵な場所に連れて行ってくれるかもしれません。ファッションの偶然の出会いは購買の理由になりにくくなって来ている昨今ですが、物を大切にする循環も大事だし、新しい自分に出会う楽しみも大切なことだと思います。
ファッションは大好きなので熱くなり長くなりましたが、リメイクは0からでは無く偶然をスタートに出来るところがとても楽しいと勉強になりました!また、今回は撮影も含め和洋折衷のようなチームで参加させて頂き、色々な考え方のコミュニケーションがクリエイト出来た事も最高でした!
全てに感謝を感じる時間、全てのきっかけを、このリメイク企画に本当にありがとうございましたと言いたいです。
楽しかったです!
JUBANGERIE(ジュバンジェリー)
邦題:和洋兼用・お襦袢ワンピ
WA装研究所 ももたす
2020.6.18
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わたしたちが暮らす日本で
誰の袖も通らずに
捨てられていく洋服たちは、
今や年間約15億着とも
言われています。
今回はそのような
大量廃棄『ファッションロス』に
リメイクで新たな魅力を吹き込む
と言うコンテストに参加しました。
どうぞこの新しい循環の可能性に
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