父・基礎の寿司

うちの父は寿司職人だ。
うちの父は基礎しかしない。
おまけに引っ込み思案で
斬新な物、新しい寿司なんて
いっさいやってきた事がない。

そんな父がある時私に呟いた。

『オレのところ(店)も
そう言う事し無いからダメなんだかのー』

むしろ、ワタシは、
そんな事40年近く握り続けてきて
考えた事あるんだ?
と、驚いた。

父は寿司職人だが
その店は自分のアジトでは無い。

早くに星になってしまった
目に見えない親方と
いつのまにか
自分の店のようになってしまった立場で
いつも揺れ続けてきたのかもしれない。

そんな基礎の寿司しか握らない父が
唯一オリジナルと思っている寿司がある。


『大葉巻き』…(さび抜き/さび有り)だ。


私はコレを初めて出された時、
いや、ずーっと前からあったと言う感じで
シレッと出してきた時、
たどり着いたんだな、、って感じた。


と、同時に、やっぱり基礎の寿司だな。
と、思った。


愛おしい大葉巻き。


笑えるし、泣けるし、美味いし、、
なんか、詰まってんな〜〜〜って思った。


基礎しかしない基礎の寿司🍣


きっとわたしも
似たようなところがあるのだろう。

そして、家庭と言うのは
実に素晴らしい学舎なのだ。

『父、基礎の寿司』

ではでは⭐︎
またまた🐈‍⬛
また、かならず💫

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