33〼

『和』の良さは分かっていても、着物を着て、伝統文化を中心に、慣しや仕来り沿いながら、、、そんな風に暮らすのは中々難しいですよね。
そんな気持ちに寄り添っていかに提案出来るかを追求するWA装研究所ももたす。
第2弾は、『文化的耳飾り33〼』と題して着物の古裂を使ったアクセサリーを作りました。
----- item history ----------
33〼(さんさんます)と言うのは
自身も糸と針を持ち、学んだ
和裁(※)の世界から抽出した1つのスケールです。
3cm✖️3cmという小さな四角い古裂の物語を
お話ししてみようかなと思います。
(※)=和裁とはわたし達の民族衣装である着物や浴衣を仕立てる時の手縫い技法の事を言います。(わたし達の文化であるその衣装が本来手縫いで作られると言う事はあまり知られていません。)
そちらを踏まえて話は進める事にします♩
着物が手で縫われるようになって
どのくらい経つのでしょうか。
その和裁と言うものづくりのセカイには
『物を大切にしたい』
と言う日本人の精神行動がギュッと凝縮されています。
糸針を運ぶ中で、本当の着物の姿(カタチ)と同時にその思いを知っていく事となった訳ですが。
着物に最も重要な反物。
絹糸の元を育てる養蚕(ようさん)
と言うお仕事があります。
これが反物の一番最初です。
蚕を飼い、桑の葉を育て与え、
お蚕さんのお世話をする人の手。
その後、その繭から絹糸を作り
さらにたくさんのつくる人の手(作り手)を介して
着物の反物は出来ていきます。
そしてようやくその先に、お客様がいらして
衣装の最終形を和裁師達が縫い繋ぐわけですが、
この手から手へのバトンリレーは
他の業種さんでも見受けられるでしょう。
では何をもって着物から
『物を大切にする』心 を見つけたか。

例えば…!

『和裁は一度しか布にハサミを入れません。』

どう言う事を意味しているかと言うと
縫製方法としてそうであることはもちろんですが、何故そんな作りになったのか…
きっともっと根源的なお話しだろうなと思いました。

蚕、植物、糸、織、染、、
反物を作り上げるまでの手から手へのバトンは
自動という物はほとんど無く、
どれ一つ無駄にできないほどの
途方もない熱量があります。

無駄にしないではなく
無駄に『出来ない』と言うか…

直線的なデザインだからと言う
カタチから由来する段取り上の事だけでなく、
その熱量が

『ハサミは1度しか入れられない。』

と言う精神行動を作ったのでは…
と、思うのです。
1回しかハサミを入れないってすごいですよね。
それら全てが成し遂げられて
あの人型となり目の前に姿を現すのです。
それを綺麗だなと思う時
まるで何かが生きている気がするのです。
それが着物のパワーです。

そして、着物は余り布も
そのままで使えるほど
四角いカタチをしています。
『無駄』と言う文字が少しもないように…。
どんなに小さくなった裂でもそれは着物なのです。

それともう一つハッとさせられたのは、
着物と言う日本文化は
着るところからが
文化のような気がしていましたが
作ること、手仕事そのものの行為の中に
既にたくさんの文化と和の心が
詰まっているんだと言う事です。
それは和裁をしなければ分かりませんでした。

わたしはこの33〼を作りながら
そんな風に考えるようになりました。

更に、この古裂に関しては
ユニークな物語があります。
『小豆3粒包めればまだ使える。』
     
小豆3粒ですよ⁈
考えられますか?
糸への思いを作品にしたnemu同様に、
無駄にしないと言うある種のルールを超えて、
人の手を大切にする事、
物を大切に出来る事。
これは素晴らしいことだと思うのです。
小豆3粒⚫︎⚫︎⚫︎🥢
この、暮らしが隣り合わせのフレーズを用いて
昔から日本人に伝わってきた心を
わたし達は先生から言い伝えられました。

そのスケールが


『3cm✖️3cmの〼布』なのです。

なので作品名に『33〼』とつけました。

実際、この16mmの丸い耳飾りは
その3✖️3のハギレを用いて作っています。

正直に言うと、自身は少しカッコよく仕上げる為に無駄をしています。時に、文化的なものごとは無駄を作る場合があるのでしょう。でも、出来るだけ無駄にならない物を作れていたら幸いです。ハギレはハギレの為に作られていないので出来る限りではありますが気に入った物がお届け出来ますように。

それが文化的耳飾り33〼に寄せた思いであり
33〼から教わった着物と和裁の姿です。

\文化的に暮らそう!//
社会をつくりかえながら!
楽しく使いながら!

▶︎文化的耳飾り33〼を見る


WA装研究所ももたす

つくり変えながら楽しむ日本文化。 \\ 文化的に暮らそう!//は、 和装研究所MOMOTUSのモットーです。